終-太鼓とコイン

十分という村で天燈を飛ばした私達は 次に九份という台湾の人気観光地へ向かった。 十の次は九というわけだ。九份は日本統治時代に金の採掘で繁栄した村で、 その後も『悲情城市』というニ・ニ八事件を扱った 映画でロケ地に選ばれ再び人気となった。 そんな…

12-天燈は飛んでゆく

私は台湾に来る前、彼女に一本の映画を勧めていた。 その映画は台湾の人気若手俳優チェン・ボーリン主演の 『台北に舞う雪』という映画である。 おもしろいから勧めたのではない。 結局、最後まで映画を通して 何がいいたいのかが分からないばかりではなく …

11-昭和の女がやって来た

私の台湾旅行も7日目に入り、 とうとう彼女が日本から合流する日が来た。 私は彼女を空港まで迎えに行かないつもりでいた。 というのも空港から市内までは空港からのバスで一本だし、 適当な所で降りれば地下鉄も通っている。 いくらどんくさい彼女でも、な…

10-二二八の悲劇

台北にニニ八和平公園という公園がある。 私は前回の台湾旅行でも、ここを訪れていたので、 もう訪れなくてもいいだろうと思っていたのだが、 初めて台湾総督府に行き、あまりの観光客の多さに 少し疲れたので近くにあったここに少し寄って 休憩でもしようか…

9-フランス人キレル

私は台湾を一周し、鈍行列車に乗り再び台北に戻ってきた。 いつもは、西門町の台北バックパッカーズという安宿に 泊まるのだが、それではいつまで経っても進歩がないし、 あそこは道路に面しており朝方、うるさい!そこで今回は港で噂のSTAR HOSTE…

8-忘れられた鳥居

紅葉温泉旅社で一晩を過ごした私は 再び瑞穂のバス停に戻り、豊田村という小さな村を目指すことにした。ガイドブックによるとこの豊田村には日本統治時代、 多くの日本人移民が移り住み、日本人移民村を形成していたという。 台湾における日本の面影を捜して…

7-こんにちはトイレ

私の乗った列車は太麻里を出発し、瑞穂を目指していた。 ここに紅葉温泉旅社という旅館があるのだ。 日本統治時代に開発されたこの温泉宿は、 当時、警察官の療養所として使われていたという。 古めかしいその建物の写真をガイドブックで見た瞬間、 私は旅情…

6-太陽の村

台湾東部のとある村に、今でもときおり日常生活で 日本語を用いる少数民族の老人達がいるという。 彼らはパイワン族という少数民族で、 もともとはインドネシア語族の言語を話し、 かつては首狩りも行っていたという。日本統治前の台湾では、部族の異なる少…

5-墾丁で私は女になる

私はFACEBOOKで台湾人の友人が繁華街で楽しそうに ピースしながら写っている一枚の写真を見た。 そこは、どこかハワイのようなリゾート地らしい。写真の背景には漢字が見えるから、恐らく台湾なのだろう。 ここは一体どこなんだろうか。 台湾にそんなリゾー…

4-六人の先生達

私には台湾を旅行をするにあたって どうしても行っておきたい場所があった。 そこは現在では、市民の憩いの場となっている 芝山公園という名の公園である。 現在ではと言ったのには理由がある。 つまり昔は、そうではなかったのだ。 そこは昔、血生臭い歴史…

3-台湾最北端の聖地

台北にかなりぶっとんだ寺があるらしい。 そして、その寺は一部の日本人から聖地とされ 崇められているという・・・。 私はそんな情報を入手し、その真偽を確かめるために さっそく現地に向かうことにした。台北市内からMRT淡水・新店線に乗り40分、 北側の…

2-フェルモサの洗礼

かつて少数民族が住んでいた台湾を「発見」したヨーロッパ人は 台湾をフェルモサ(麗しの島)と呼んだ。 現在の台湾人は、開発の進んだ今の台湾を もう既にフェルモサではないと自虐的に笑う。 しかし私にとっての台湾は未だ未知なるフェルモサである。 2011…

<番外編>台湾の歴史

台湾に長く葬られた歴史がある事を どれだけの人が知っているだろう。私達は台湾の事をほとんど知らない。 それもそのはずで日本人はアメリカの歴史については 習っても台湾の歴史については習わない。 私達は日本政府にとって都合の悪い歴史については習わ…

1-台湾に行きたいわん!

台湾に行きたいわん!!!私は何もふざけているのではない! けっこう真面目に言っている。 私は今、猛烈に台湾に行きたいのだ! 日本は不景気で大学や大学院を卒業しても仕事がない。 だったら親日家の国、台湾で暮らすのも一つの選択肢である。毎日ニュー…